龍沖村にある店はたった一軒だけだ。
それも、叶海の祖母である幸恵が経営している個人商店。コンビニほどの広さの店内には、食料品から生活必需品、仏花から雑誌までありとあらゆるものが置いてある。
しかも、近所の人たちが集まるためのカフェスペースまで完備されていて、龍沖村の老人たちのたまり場となっていた。
昼も近くなると、流石の龍沖村といえど汗が噴き出るほどに暑くなる。
叶海は扇風機から一番近い席を陣取ると、サイダー味のアイスに齧り付きながら、渋い顔をして手もとの白衣と格闘していた。
「……お婆ちゃん、波縫いじゃ駄目だよね?」
「駄目だべなあ。すぐに解れちまう」
「なんでこう、針の穴って小さいわけ?」
「針は昔からちっちゃいもんだべ。……ああ、それじゃ駄目だ、駄目だ。やり直し」
「えええ。これじゃ駄目? だよね。駄目だよねえ……」
白衣を放り出した叶海は、ぱったりと机にうつ伏せになる。
それも、叶海の祖母である幸恵が経営している個人商店。コンビニほどの広さの店内には、食料品から生活必需品、仏花から雑誌までありとあらゆるものが置いてある。
しかも、近所の人たちが集まるためのカフェスペースまで完備されていて、龍沖村の老人たちのたまり場となっていた。
昼も近くなると、流石の龍沖村といえど汗が噴き出るほどに暑くなる。
叶海は扇風機から一番近い席を陣取ると、サイダー味のアイスに齧り付きながら、渋い顔をして手もとの白衣と格闘していた。
「……お婆ちゃん、波縫いじゃ駄目だよね?」
「駄目だべなあ。すぐに解れちまう」
「なんでこう、針の穴って小さいわけ?」
「針は昔からちっちゃいもんだべ。……ああ、それじゃ駄目だ、駄目だ。やり直し」
「えええ。これじゃ駄目? だよね。駄目だよねえ……」
白衣を放り出した叶海は、ぱったりと机にうつ伏せになる。

