叶海はほくそ笑むと、おもむろに箸でぬか漬けを摘まんだ。それは、少し前に和則から分けて貰ったキュウリを漬け込んだもの。きゅうりの緑色が、ぬか漬けになったことで益々色鮮やかになって、見るからにいい漬かり具合だ。
「そういえば、やっとぬか床の塩梅が良くなってきてね」
そして叶海は、極々自然な仕草で、それを雪嗣の顔の近くに持っていった。
「食べてみてよ。塩加減とか感想聞かせて欲しいな」
すると、じっとキュウリを見つめた雪嗣は、パクリときゅうりに齧り付く。
そして何度か咀嚼すると、「辛子はもっと少なくていい」とぽつりと言った。
「そっかー。調整するね……」
雪嗣の率直な意見に、叶海が大きく頷いた時だ。
「うわあ~。朝からえらいもん見ちまった」
ふたりきりの愛の巣(仮)に、どこか面白がっているような声が響いた。
「あ、おはよう」
叶海が挨拶をすると、窓から室内を覗き込んでいた男は、ひょいと片手を上げて応えた。そして黒衣を翻して縁側に回り込むと、どかりと座り込む。そして、日に焼けて浅黒い顔に、人なつっこい笑みを浮かべて言った。
「相変わらず仲睦まじい夫婦っぷりだなあ! 羨ましいぜ、ちくしょう」
「お前の目は節穴か? 眼科へ行け、眼科へ」
「そうかね? あーんしてパクッ……充分仲がいいじゃねえか」
「……は?」
「……え?」
「そういえば、やっとぬか床の塩梅が良くなってきてね」
そして叶海は、極々自然な仕草で、それを雪嗣の顔の近くに持っていった。
「食べてみてよ。塩加減とか感想聞かせて欲しいな」
すると、じっとキュウリを見つめた雪嗣は、パクリときゅうりに齧り付く。
そして何度か咀嚼すると、「辛子はもっと少なくていい」とぽつりと言った。
「そっかー。調整するね……」
雪嗣の率直な意見に、叶海が大きく頷いた時だ。
「うわあ~。朝からえらいもん見ちまった」
ふたりきりの愛の巣(仮)に、どこか面白がっているような声が響いた。
「あ、おはよう」
叶海が挨拶をすると、窓から室内を覗き込んでいた男は、ひょいと片手を上げて応えた。そして黒衣を翻して縁側に回り込むと、どかりと座り込む。そして、日に焼けて浅黒い顔に、人なつっこい笑みを浮かべて言った。
「相変わらず仲睦まじい夫婦っぷりだなあ! 羨ましいぜ、ちくしょう」
「お前の目は節穴か? 眼科へ行け、眼科へ」
「そうかね? あーんしてパクッ……充分仲がいいじゃねえか」
「……は?」
「……え?」

