「オラ、こう思うんだ。愛する人が傍にいてくれるってことは、なによりも嬉しいことだ。それはきっと神様もそうだべ」
だから……このまま、苦しんでいる孫を放って、なあなあで終わらせる訳にはいかない!
「龍神様は、叶海を悪く思ってはいなかったと思う。いんや、寧ろ好きだったに違いねえ。無駄に歳だけ重ねたババアの直感だ。なんの根拠もねえけども……今回のことは、きっと龍神様も心苦しく思っているはずだと思わねえか!?」
そこまで言い終わると、しん、と辺りが静まりかえっているのに気が付いた。
熱弁を繰り広げた幸恵を、みつ江と保子がポカンと見つめている。みつ江なんて、お茶請けの煎餅に手を伸ばしたまま、硬直しているではないか。
――オ、オラ。一体なにを興奮してるんだべか。
途端、カッと顔が熱くなって、幸恵はもじもじと指を絡めた。
叶海のことは大切だ。他にも孫はいるが、お年玉をせびりに来るくらいで、碌に会いにも来ない。それに比べて叶海は傍にいてくれる。たとえ雪嗣への恋心が理由だったとしても、傍に居てくれる孫というのは愛おしく思うものだ。
その気持ちが幸恵を突き動かしたのだろう。それにしても、興奮して声を荒げるなんて、大人げない――そんな風に幸恵が落ち込んでいたその時だ。
だから……このまま、苦しんでいる孫を放って、なあなあで終わらせる訳にはいかない!
「龍神様は、叶海を悪く思ってはいなかったと思う。いんや、寧ろ好きだったに違いねえ。無駄に歳だけ重ねたババアの直感だ。なんの根拠もねえけども……今回のことは、きっと龍神様も心苦しく思っているはずだと思わねえか!?」
そこまで言い終わると、しん、と辺りが静まりかえっているのに気が付いた。
熱弁を繰り広げた幸恵を、みつ江と保子がポカンと見つめている。みつ江なんて、お茶請けの煎餅に手を伸ばしたまま、硬直しているではないか。
――オ、オラ。一体なにを興奮してるんだべか。
途端、カッと顔が熱くなって、幸恵はもじもじと指を絡めた。
叶海のことは大切だ。他にも孫はいるが、お年玉をせびりに来るくらいで、碌に会いにも来ない。それに比べて叶海は傍にいてくれる。たとえ雪嗣への恋心が理由だったとしても、傍に居てくれる孫というのは愛おしく思うものだ。
その気持ちが幸恵を突き動かしたのだろう。それにしても、興奮して声を荒げるなんて、大人げない――そんな風に幸恵が落ち込んでいたその時だ。

