苦しげに瞳を閉じて、ごぶりと口から大量の血を吐き出す。
「ご、ごめ……!」
鮮血を目の当たりにした叶海は、あまりのことに混乱して手を離そうとした。しかし、雪嗣はそのままでいいと制止する。
「ゴホッ……い、いや、抱えていてくれ。この方が、呼吸が楽だ」
すると、叶海の横に蒼空がやってきた。彼は周囲に鋭い視線を向けると、切羽詰まった様子で雪嗣に訊ねる。
「なにがあった、雪嗣。穢れか?」
「……ああ」
小さく頷いた雪嗣は、なにがあったのかを語り始めた。
「地下に潜んでいた穢れ共が、俺の力が弱まったのを知って襲ってきたんだ」
「……まじか」
「全盛期の俺ならば、簡単に対処できる程度ではあったがな。先日、始末したばかりだったから油断した」
そして長く息を吐いた雪嗣は、社の方に視線を投げて言った。
「……蒼空。すまないが、隣町の土地神に話をつけてきて欲しい。襲ってきた穢れはすべて処理したものの、次がいつ来るかわからない。俺はこの有様だ。しばらく、まともに動けないだろう」
「わかった。すぐに行ってくる。それで――お前は大丈夫なのか」
心配そうに己を見つめる蒼空に、雪嗣は小さく首を横に振った。
「ご、ごめ……!」
鮮血を目の当たりにした叶海は、あまりのことに混乱して手を離そうとした。しかし、雪嗣はそのままでいいと制止する。
「ゴホッ……い、いや、抱えていてくれ。この方が、呼吸が楽だ」
すると、叶海の横に蒼空がやってきた。彼は周囲に鋭い視線を向けると、切羽詰まった様子で雪嗣に訊ねる。
「なにがあった、雪嗣。穢れか?」
「……ああ」
小さく頷いた雪嗣は、なにがあったのかを語り始めた。
「地下に潜んでいた穢れ共が、俺の力が弱まったのを知って襲ってきたんだ」
「……まじか」
「全盛期の俺ならば、簡単に対処できる程度ではあったがな。先日、始末したばかりだったから油断した」
そして長く息を吐いた雪嗣は、社の方に視線を投げて言った。
「……蒼空。すまないが、隣町の土地神に話をつけてきて欲しい。襲ってきた穢れはすべて処理したものの、次がいつ来るかわからない。俺はこの有様だ。しばらく、まともに動けないだろう」
「わかった。すぐに行ってくる。それで――お前は大丈夫なのか」
心配そうに己を見つめる蒼空に、雪嗣は小さく首を横に振った。