「…紅さま、ここのところ毎日こづえさんのお迎えが遅いんです。どう思われますか」
ある日の帰り道、のぞみは思い切って紅に切り出す。この帰り道を二人で手を繋いで歩くというのも毎日の習慣となりつつあった。
これもどう考えてもおかしいとのぞみは思うけれど、"あやかしの常識などは自分にはわからないのだから"と自分に言い聞かせ、納得するしかなかった。というのもやっぱり少しも嫌だとは思えなかったからだ。
結局いまだにのぞみは、紅の結界が"あちらさん"に効くかどうかを知らないままだ。
「うーん、どうと言われても…。残業が困るなら、のぞみは先に帰るようにするかい?」
「そうじゃありません」
のぞみは首を振った。
「そうじゃなくて…、その、こづえさん毎日何をしてるんだろうって…」
毎日お迎えに来る彼女の格好は相変わらず派手だった。短いスカート、派手な化粧、およそ子どもたちに混ざって遊ぶ格好ではない。アルコールの匂いをプンプンさせて、明らかに酔っ払っていることさえあった。
いつも一番最後に迎えに来るが、よく考えたらそんな時間に人間の子どもたちは遊んでいない。だとすれば彼女は毎日一体何をしているのだろう。
ある日の帰り道、のぞみは思い切って紅に切り出す。この帰り道を二人で手を繋いで歩くというのも毎日の習慣となりつつあった。
これもどう考えてもおかしいとのぞみは思うけれど、"あやかしの常識などは自分にはわからないのだから"と自分に言い聞かせ、納得するしかなかった。というのもやっぱり少しも嫌だとは思えなかったからだ。
結局いまだにのぞみは、紅の結界が"あちらさん"に効くかどうかを知らないままだ。
「うーん、どうと言われても…。残業が困るなら、のぞみは先に帰るようにするかい?」
「そうじゃありません」
のぞみは首を振った。
「そうじゃなくて…、その、こづえさん毎日何をしてるんだろうって…」
毎日お迎えに来る彼女の格好は相変わらず派手だった。短いスカート、派手な化粧、およそ子どもたちに混ざって遊ぶ格好ではない。アルコールの匂いをプンプンさせて、明らかに酔っ払っていることさえあった。
いつも一番最後に迎えに来るが、よく考えたらそんな時間に人間の子どもたちは遊んでいない。だとすれば彼女は毎日一体何をしているのだろう。