「本当ですか? ありがとうございます」
「いや、かの子がどこかに行かないならなんでもいいんだよ。私は」
そう言って、サケ子は事務所へ戻って行った。
紅はというと園庭に出て子どもたちと遊んでいる。べったりとのぞみの側にいるのではなく少し離れて様子をみることにしたようだ。
夕食の時サケ子に"ぞぞぞ"とさせられた後は、奇妙な食べ方をする子どもたちに驚かされながらものぞみは一度も"ぞぞぞ"とはこなかった。だから少しくらいなら離れていても大丈夫と思ったのかもしれない。
初めて保育園に通う子どもが、保育園に慣れるために、徐々に保育時間を伸ばしていく『ならし保育』というのが人間の保育園にはある。のぞみは、なんだか自分も紅に、『ならし保育』をされているようなそんな気分になって、少しくすぐったいような気持ちになった。
そんな気持ちをもてあましながら、のぞみは部屋の隅のかの子に声をかける。
「かの子ちゃん、先生今からあっちこっち掃除するんだけど、お手伝いしてくれない? 先生まだ保育園のことなぁんにもわからないから、おしえてくれると嬉しいな」
「いや、かの子がどこかに行かないならなんでもいいんだよ。私は」
そう言って、サケ子は事務所へ戻って行った。
紅はというと園庭に出て子どもたちと遊んでいる。べったりとのぞみの側にいるのではなく少し離れて様子をみることにしたようだ。
夕食の時サケ子に"ぞぞぞ"とさせられた後は、奇妙な食べ方をする子どもたちに驚かされながらものぞみは一度も"ぞぞぞ"とはこなかった。だから少しくらいなら離れていても大丈夫と思ったのかもしれない。
初めて保育園に通う子どもが、保育園に慣れるために、徐々に保育時間を伸ばしていく『ならし保育』というのが人間の保育園にはある。のぞみは、なんだか自分も紅に、『ならし保育』をされているようなそんな気分になって、少しくすぐったいような気持ちになった。
そんな気持ちをもてあましながら、のぞみは部屋の隅のかの子に声をかける。
「かの子ちゃん、先生今からあっちこっち掃除するんだけど、お手伝いしてくれない? 先生まだ保育園のことなぁんにもわからないから、おしえてくれると嬉しいな」