女の子が無表情で呟いた。そして目をパチクリとさせている。
「そう…どこにいるの?」
なるべく優しくのぞみは尋ねる。
資格があるだけで保育士として働いた経験はまだないが、十八歳まで過ごした児童養護施設には年下の子ども達が沢山いたから小さな子への接し方はわかっているつもりだった。
だが女の子の大きな瞳には、みるみる涙が溜まってゆく。そしてついに、うわーん!と声をあげて泣き出した。
「お母さん、お仕事行っちゃったぁ!!」
「え?仕事?」
思いがけない女の子の言葉に、のぞみはびっくりして一瞬言葉に詰まる。てっきり神社に散歩にでも来て、はぐれてしまったのだろうと思っていたからだ。
仕事に行ったとは一体…?とのぞみが首を傾げたとき。
「おや、君はその子が見えるの?」
「ひゃ…!」
声をかけられてのぞみは飛び上がるほど驚いた。振り返ると浴衣姿の背の高い男性が鳥居の所に立っている。
「そう…どこにいるの?」
なるべく優しくのぞみは尋ねる。
資格があるだけで保育士として働いた経験はまだないが、十八歳まで過ごした児童養護施設には年下の子ども達が沢山いたから小さな子への接し方はわかっているつもりだった。
だが女の子の大きな瞳には、みるみる涙が溜まってゆく。そしてついに、うわーん!と声をあげて泣き出した。
「お母さん、お仕事行っちゃったぁ!!」
「え?仕事?」
思いがけない女の子の言葉に、のぞみはびっくりして一瞬言葉に詰まる。てっきり神社に散歩にでも来て、はぐれてしまったのだろうと思っていたからだ。
仕事に行ったとは一体…?とのぞみが首を傾げたとき。
「おや、君はその子が見えるの?」
「ひゃ…!」
声をかけられてのぞみは飛び上がるほど驚いた。振り返ると浴衣姿の背の高い男性が鳥居の所に立っている。