「保育園時間は午後四時から丑三つ時まで。その間、紅さまの結界の外へ子どもたちを出さないというのが私たちの仕事だよ。まぁ、そう難しいことではないさ」
サケ子の言葉にのぞみは、「丑三つ時…」と呟いた。
あまり素敵な響きではない。つまり…。
「午前の二時くらいだね」
紅が言った。
「丑三つ時からは、あちらさんの時間だからね。あやかしたちは仕事をやめる。…暗黙の了解ってやつだね」
「あちらさん…」
のぞみは再び呟く。嫌な予感がする。背筋がむずむずとしてきた。
「そ、あちらさん」
紅がのぞみを覗き込むように見た。
「つまり、幽霊」
ぞぞぞときた。
「わわわわかりました」
震える唇で答えると、紅がくすりと笑ってのぞみのうなじをそっと撫でた。
ぽわんと"ぞぞぞ"が宙に浮いた。
サケ子の言葉にのぞみは、「丑三つ時…」と呟いた。
あまり素敵な響きではない。つまり…。
「午前の二時くらいだね」
紅が言った。
「丑三つ時からは、あちらさんの時間だからね。あやかしたちは仕事をやめる。…暗黙の了解ってやつだね」
「あちらさん…」
のぞみは再び呟く。嫌な予感がする。背筋がむずむずとしてきた。
「そ、あちらさん」
紅がのぞみを覗き込むように見た。
「つまり、幽霊」
ぞぞぞときた。
「わわわわかりました」
震える唇で答えると、紅がくすりと笑ってのぞみのうなじをそっと撫でた。
ぽわんと"ぞぞぞ"が宙に浮いた。