そう言って泣くかの子を見てのぞみは昨日のことを思い出していた。母親が恋しくて鳥居の外にまでさまよいでてしまっていたかの子。昨日はまさかあやかしの子だなんて知らなかったから交番に連れて行こうなんて思ったけれど、紅が言う通りあのまま外へ出てしまっていたら大変なことになっていただろう。
「私がここにいるって知ってたの?」
尋ねるとこくんと頷く。
「昨日、紅さまに聞いたんだ」
「そう…」
のぞみは胸を撫で下ろした。
昨日かの子は、紅に"勝手にどこかへ行ってはいけない"と言われていたから、外へ出るのはやめてのぞみのところへ来たのかもしれない。
そっと頭を撫でてみるとつやつやのおかっぱ頭に確かな質感。あやかしの子だと知っていなければ、人間の子とそう変わらないように思える。
幸い、ぞぞぞとはこなかった。
「私がここにいるって知ってたの?」
尋ねるとこくんと頷く。
「昨日、紅さまに聞いたんだ」
「そう…」
のぞみは胸を撫で下ろした。
昨日かの子は、紅に"勝手にどこかへ行ってはいけない"と言われていたから、外へ出るのはやめてのぞみのところへ来たのかもしれない。
そっと頭を撫でてみるとつやつやのおかっぱ頭に確かな質感。あやかしの子だと知っていなければ、人間の子とそう変わらないように思える。
幸い、ぞぞぞとはこなかった。