もう一度、呼びかけると頬を一筋涙が伝った。
寂しい。
会いたい。
思い切って背中に抱きつくと柔らかな感触。振り返った兄がのぞみを優しく抱いた。大きな腕はのぞみを包む。
「うーん」
すっかり安心して、その腕に頬ずりをしているうちに、のぞみの意識は浮上する。少し眩しい朝の光を感じてうっすらと目を開けると、夢の中と同じように誰かに包まれるように抱かれていた。
「…?!」
異変を感じてぱっちりと目を開くと、至近距離に、にっこりと微笑む紅の笑顔。
「おはよう、のぞみ。気分はどう?」
「ぎゃー!!!」
「のぞみ、のぞみ、落ち着いて!昨日のことは謝るから、もうあんなことはしないから!」
「いやー!!怖い!殺されるー!」
「大丈夫、大丈夫!そんなことしないから!」
「いやー!」
足と手をじたばたさせて暴れるけれど、のぞみを囲う腕はびくともしない。
「うーん…仕方がないな、のぞみ、ちょっと失礼するよ」
腕の中で暴れるのぞみに手を焼きながら、紅はそう言うと身体を起こしてのぞみのうなじに唇を寄せた。
寂しい。
会いたい。
思い切って背中に抱きつくと柔らかな感触。振り返った兄がのぞみを優しく抱いた。大きな腕はのぞみを包む。
「うーん」
すっかり安心して、その腕に頬ずりをしているうちに、のぞみの意識は浮上する。少し眩しい朝の光を感じてうっすらと目を開けると、夢の中と同じように誰かに包まれるように抱かれていた。
「…?!」
異変を感じてぱっちりと目を開くと、至近距離に、にっこりと微笑む紅の笑顔。
「おはよう、のぞみ。気分はどう?」
「ぎゃー!!!」
「のぞみ、のぞみ、落ち着いて!昨日のことは謝るから、もうあんなことはしないから!」
「いやー!!怖い!殺されるー!」
「大丈夫、大丈夫!そんなことしないから!」
「いやー!」
足と手をじたばたさせて暴れるけれど、のぞみを囲う腕はびくともしない。
「うーん…仕方がないな、のぞみ、ちょっと失礼するよ」
腕の中で暴れるのぞみに手を焼きながら、紅はそう言うと身体を起こしてのぞみのうなじに唇を寄せた。