随分と突拍子もない話だけれど、一応筋が通っている。でものぞみには納得がいかなかった。
「つまり人間を怖がらせて、たましいを食べるということですね? そ、そ、そんな悪いことのお手伝いはできません!」
のぞみが言うと、奥にいる保育士の女性がたまりかねたように口を開いた。
「なんてことを言うんだい! 私たちは人のたましいを取ったりはしないよ。ただ少し"ぞぞぞ"をもらうだけさ。人間だって食べなきゃ死んでしまうだろ? それと何が違うのさ」
強い口調で責められてのぞみびくりと肩を震わせる。
紅が、「まぁまぁ」と言って彼女を止めた。そしてまだ腰が抜けて立ち上がれないのぞみをヒョイと抱き上げて、廊下から部屋へと運び畳の上にゆっくりと下ろした。
「サケ子、彼女はまだ何も知らないのだから」
そう言ってのぞみの頭を撫でる。そんな仕草は優しげで、とてものぞみを騙した悪い人物のようには思えないから不思議だった。
「つまり人間を怖がらせて、たましいを食べるということですね? そ、そ、そんな悪いことのお手伝いはできません!」
のぞみが言うと、奥にいる保育士の女性がたまりかねたように口を開いた。
「なんてことを言うんだい! 私たちは人のたましいを取ったりはしないよ。ただ少し"ぞぞぞ"をもらうだけさ。人間だって食べなきゃ死んでしまうだろ? それと何が違うのさ」
強い口調で責められてのぞみびくりと肩を震わせる。
紅が、「まぁまぁ」と言って彼女を止めた。そしてまだ腰が抜けて立ち上がれないのぞみをヒョイと抱き上げて、廊下から部屋へと運び畳の上にゆっくりと下ろした。
「サケ子、彼女はまだ何も知らないのだから」
そう言ってのぞみの頭を撫でる。そんな仕草は優しげで、とてものぞみを騙した悪い人物のようには思えないから不思議だった。