大きな声で言ってのぞみは立ち上がる。俄然やる気が湧いてきた。
 夜に保育園なんてかわいそうと言う人もいるだろう。それでもそうやって生活している人がいる限り必要な場所なのだ。
 夜間保育へ通う親子が街の人たちの目を避けなくてはいけない状況には、施設で育ったのぞみにとってみればいろいろと思うところがあるが、それならば尚更力になりたいと思った。
「私頑張ります!!」
 のぞみは両手に作った拳をぎゅっと握りしめた。
 宮司が目を細めて、ふふふと笑った。
「じゃあ、契約成立だ。さぁ、ここにサインをして」