「旦那さんの?」
志津の話が意外な切り口から始まったことに、のぞみは少し戸惑いながら聞き返す。
志津が難しい表情で頷いた。
「以前先生には、主人が私と一緒になるために家族と縁を切った話はしましたよね」
のぞみは黙ったまま頷いた。
「私、どうしても彼に家族との交流を再開してほしいのです。太一も人間のフリをする練習を始めたことですし…でも多分彼はすぐにうんとは言わないでしょう。以前にも話をしたことはあるのですが、頑なに断られていますから。…もし、私たちがあやかしだとバレて世間に知られるようなことになったら大変だと、それだけを考えているようです」
志津はそこで言葉を切って、小さくため息をついた。頑なな夫をどのように説得すべきか悩み続けているのだろう。
「今日は主人の仕事が少し早く終わるんです。せっかくだからお迎えに来て、太一の保育園を見たいと言っているのですが…」
志津の話が意外な切り口から始まったことに、のぞみは少し戸惑いながら聞き返す。
志津が難しい表情で頷いた。
「以前先生には、主人が私と一緒になるために家族と縁を切った話はしましたよね」
のぞみは黙ったまま頷いた。
「私、どうしても彼に家族との交流を再開してほしいのです。太一も人間のフリをする練習を始めたことですし…でも多分彼はすぐにうんとは言わないでしょう。以前にも話をしたことはあるのですが、頑なに断られていますから。…もし、私たちがあやかしだとバレて世間に知られるようなことになったら大変だと、それだけを考えているようです」
志津はそこで言葉を切って、小さくため息をついた。頑なな夫をどのように説得すべきか悩み続けているのだろう。
「今日は主人の仕事が少し早く終わるんです。せっかくだからお迎えに来て、太一の保育園を見たいと言っているのですが…」