しかも二つは超近距離だから、さっき感じた毎日あの階段を上り下り…という心配もなくなるのだ。
期待に頬を染めるのぞみに流し目をくれて、宮司は音もなく廊下を進むと一番奥の扉を開けた。
「まぁ、とにかく部屋を見てみてよ。ほら、どうぞ」
そう言ってのぞみに部屋へ入るように促す。
のぞみの胸は高鳴った。不動産屋で先行きは厳しいとしょぼくれていたのが嘘のようだ。なんて自分は運が良いんだろう。
この際どんなにひどい部屋でも大丈夫、我慢できるなどという少し失礼なことを思いながら、のぞみは部屋へ足を踏みいれたが、意外にもその先は居心地の良さそうな空間が広がっていた。
全体では八畳ほどの広さで、入口側は畳敷き、窓際の二畳ほどは板間になっている。その隅に小さな流しが一つ付いていた。
とにかくおんぼろであちこちに蜘蛛の巣が張っていた外観とは打って変わって畳も板間も流しも、古いけれど丁寧に手入れがされていて清潔そうだ。
部屋の真ん中にはちゃぶ台があって、その上にはカセットコンロ。それから隅の方に布団が一式置いてあった。
期待に頬を染めるのぞみに流し目をくれて、宮司は音もなく廊下を進むと一番奥の扉を開けた。
「まぁ、とにかく部屋を見てみてよ。ほら、どうぞ」
そう言ってのぞみに部屋へ入るように促す。
のぞみの胸は高鳴った。不動産屋で先行きは厳しいとしょぼくれていたのが嘘のようだ。なんて自分は運が良いんだろう。
この際どんなにひどい部屋でも大丈夫、我慢できるなどという少し失礼なことを思いながら、のぞみは部屋へ足を踏みいれたが、意外にもその先は居心地の良さそうな空間が広がっていた。
全体では八畳ほどの広さで、入口側は畳敷き、窓際の二畳ほどは板間になっている。その隅に小さな流しが一つ付いていた。
とにかくおんぼろであちこちに蜘蛛の巣が張っていた外観とは打って変わって畳も板間も流しも、古いけれど丁寧に手入れがされていて清潔そうだ。
部屋の真ん中にはちゃぶ台があって、その上にはカセットコンロ。それから隅の方に布団が一式置いてあった。