紅の言っている人物が兄でなかったとしても大丈夫だという確信にも似た気持ちがのぞみの心に湧き上がった。
 自分にはこんなに温かい仲間がいるのだから。
「その寿司職人についてはちょっと気になることもあるんだ。もう少し私に任せてくれないか。必ず、ちゃんと伝えるから」
 紅がのぞみを抱きしめて、頭を撫でた。
 のぞみは彼の香りに包まれて頷いた。この腕の中は心の底から安心できる場所だ。
「紅さまにお任せします。私のためにいろいろしてくれて…ありがとうございます」
 紅がのぞみの頭に頬ずりをして、口づけた。
「可愛い可愛いのぞみのためだもの」