だが最後まで言い終わらないうちに、紅にぐいっと持ち上げられて腕の中でくるりと回されてしまう。
紅の目尻が赤くなった。
高い所で持ち上げられて、のぞみから出た"ぞぞぞ"を紅は口を寄せて直接食べる。食むように動く彼の唇が、のぞみのうなじにわずかに触れた。
「んっ…」
のぞみの身体がぴくんと震える。
ぞぞぞを食べ終えた紅がのぞみと向かい合い、ひたいとひたいをくっつけた。
「…いずれ、のぞみが子どもを生むことになったとしてもそれが人の子であってほしくないと私は思う。のぞみが私以外の誰かのものになるなんて我慢がならないよ。例えそれが、人であってもあやかしであっても」
「紅さま…」
のぞみはかすれる声で呟いた。
至近距離から見つめる切れ長の瞳には、いつもの人をからかうような色はない。
「のぞみ、私の妻になってくれ。…本当の」
「本当の…?」
「そう、本当の。すぐでなくていいから、いずれは必ず私に嫁ぐと約束をしてほしい。私はのぞみを妻にしたい」
紅の目尻が赤くなった。
高い所で持ち上げられて、のぞみから出た"ぞぞぞ"を紅は口を寄せて直接食べる。食むように動く彼の唇が、のぞみのうなじにわずかに触れた。
「んっ…」
のぞみの身体がぴくんと震える。
ぞぞぞを食べ終えた紅がのぞみと向かい合い、ひたいとひたいをくっつけた。
「…いずれ、のぞみが子どもを生むことになったとしてもそれが人の子であってほしくないと私は思う。のぞみが私以外の誰かのものになるなんて我慢がならないよ。例えそれが、人であってもあやかしであっても」
「紅さま…」
のぞみはかすれる声で呟いた。
至近距離から見つめる切れ長の瞳には、いつもの人をからかうような色はない。
「のぞみ、私の妻になってくれ。…本当の」
「本当の…?」
「そう、本当の。すぐでなくていいから、いずれは必ず私に嫁ぐと約束をしてほしい。私はのぞみを妻にしたい」