次の日もまた次の日も、太一は鬼ごっこに加わって奮闘した。
 チームプレーで鬼を捕まえようというある意味人間らしいやり方はあやかしの子どもたちの間でも受け入れられたようで、鬼の三兄弟以外の子らと太一は日に日に連帯感を強めていった。
 特に河童の長次郎と、一つ目のヒトシは、今まで敵わないと諦めていた鬼たちをギリギリのところまで追い詰めることに成功した太一を、絶対的に信頼しているようだった。だがそれに反比例する様に、鬼三兄弟は太一を疎ましがり暴言を吐くようになってゆく。
「へっ!力で勝てないやつはズルいことを考えるんだな!情けねー」
 それでも太一はめげることはなかった。身体はだんだんと鍛えられてきたから、怪我をすることは減ったものの毎日ヘトヘトになるまで走り回って、鬼たちを捕まえようと躍起になった。
 そしてそんなある日ついに、事件が起こった。