のぞみはぎゅっと右の手を握り締めて、うっと言葉に詰まって考えた。
この街にのぞみに貸せる部屋はここ以外ないだろうとおじさんは言っていた。だとすれば、ここで引き下がるわけにはいかない。のぞみはこの街でどうしてもやりたいことがあるのだから。
女性のように紅く見える唇に笑みを湛えて、宮司はのぞみの答えを待っている。
のぞみは、小さく深呼吸をしてからゆっくりと首を振った。
「いいえ、大きな声を出したりしてすみません。…中を見せてください」
そう言って決心が鈍らないうちにと足を踏み鳴らして、入口へと続く小道を先へ行く。
後ろで宮司が、「がんばるね、楽しみだ」とつぶいた。
この街にのぞみに貸せる部屋はここ以外ないだろうとおじさんは言っていた。だとすれば、ここで引き下がるわけにはいかない。のぞみはこの街でどうしてもやりたいことがあるのだから。
女性のように紅く見える唇に笑みを湛えて、宮司はのぞみの答えを待っている。
のぞみは、小さく深呼吸をしてからゆっくりと首を振った。
「いいえ、大きな声を出したりしてすみません。…中を見せてください」
そう言って決心が鈍らないうちにと足を踏み鳴らして、入口へと続く小道を先へ行く。
後ろで宮司が、「がんばるね、楽しみだ」とつぶいた。