志津は少し首を傾げて、目を閉じてゆるゆると首を振った。
「何も…、私がこのように考えていることも知らないと思います。太一が太一らしく過ごせるよう初めからあやかし園に入れる方がいいと言ってたくらいですから。…優しい人なのです。だから尚更私のために、家族と縁を切らせたことが申し訳なくて…」
再び静かに涙を流す志津に、のぞみの胸が締め付けられる。人間とあやかしでも本当に愛しあっていることがよくわかる。
それがのぞみの胸を刺した。
あやかしと人間であるが故の悩みは尽きないだろうがそれでもこんな風に思い合える相手と結ばれるなら幸せだろうと心から思う。
そんなことを考えて、のぞみは隣の紅をそっと盗み見た。
彼に恋心など抱いてもどうしようもないと思い、気持ちに蓋をしているのぞみだけれど、あやかしと人間でもこんな風に思い合える夫婦になれるならば…。
だがすぐに、邪念を追い払うように首を振った。今はそんなことを考えている場合ではない。
「何も…、私がこのように考えていることも知らないと思います。太一が太一らしく過ごせるよう初めからあやかし園に入れる方がいいと言ってたくらいですから。…優しい人なのです。だから尚更私のために、家族と縁を切らせたことが申し訳なくて…」
再び静かに涙を流す志津に、のぞみの胸が締め付けられる。人間とあやかしでも本当に愛しあっていることがよくわかる。
それがのぞみの胸を刺した。
あやかしと人間であるが故の悩みは尽きないだろうがそれでもこんな風に思い合える相手と結ばれるなら幸せだろうと心から思う。
そんなことを考えて、のぞみは隣の紅をそっと盗み見た。
彼に恋心など抱いてもどうしようもないと思い、気持ちに蓋をしているのぞみだけれど、あやかしと人間でもこんな風に思い合える夫婦になれるならば…。
だがすぐに、邪念を追い払うように首を振った。今はそんなことを考えている場合ではない。