のぞみの背中を冷たい汗が伝う。
おじさんは事故物件ではないと言ったけれど、それでも"何か"はいるようなそんなたたずまいだった。
言葉もなくただアパートを見上げるのぞみをよそに、宮司は何がおかしいのかふふふと笑ってから、口を開いた。
「今は誰も住んでいないからさ、ちょっと荒れてるけど。君が住むなら少しはきれいにするよ。…なにしろ、これまではこういうのがいいって言う連中が住んでいたから、わざと手入れはしてなかったんだけど」
のぞみは宮司の横顔をチラリと見た。こういうのがいいなんて人いるのだろうかと思いながら。
のぞみだっておんぼろが嫌だなんていうつもりはない。贅沢は言えないことはさっきの不動産屋で思い知った。でもそうじゃなくて、このアパートは、それを差し引いても…。
「…何か出そうだって?」
「ひゃっ!」
おじさんは事故物件ではないと言ったけれど、それでも"何か"はいるようなそんなたたずまいだった。
言葉もなくただアパートを見上げるのぞみをよそに、宮司は何がおかしいのかふふふと笑ってから、口を開いた。
「今は誰も住んでいないからさ、ちょっと荒れてるけど。君が住むなら少しはきれいにするよ。…なにしろ、これまではこういうのがいいって言う連中が住んでいたから、わざと手入れはしてなかったんだけど」
のぞみは宮司の横顔をチラリと見た。こういうのがいいなんて人いるのだろうかと思いながら。
のぞみだっておんぼろが嫌だなんていうつもりはない。贅沢は言えないことはさっきの不動産屋で思い知った。でもそうじゃなくて、このアパートは、それを差し引いても…。
「…何か出そうだって?」
「ひゃっ!」