一方で、紅がのぞみをアパートへ入れたことと嫁のことはあまり関係はなさそうだとのぞみは思う。のぞみは人間なのだから、嫁候補にはならないだろう。
きっと紅のことだから、気まぐれか困っているのぞみを放っておけなかったのだろう。それ以上でもそれ以下でもないに違いない。やっと、のぞみがアパートに住んでいるのを知った時の意味深なあやかしたちの表情の理由がわかったとのぞみは思う。
ここ最近、喉の奥に引っかかっていた小骨が取れた。
それなのに…。
それなのになぜ胸がこんなにも騒ぐのだろう。
大家もしくは上司、ただそれだけの相手の過去がなぜこんなにも気になるのだろう。
「そういえば、紅さまが保育園を始めたのもその時期だったかな」
こづえが思い出したように呟いた。
「…紅さまはなぜ保育園を始めたのですか」
のぞみは以前も感じたその疑問を口にする。保育園と嫁たちのことは関係があるのだろうか。だがその質問に、こづえは首を傾げた。
「さぁ…それも詳しくはわからない。ただそれをありがたいと思うあやかしは多かった。それまでは、親が稼ぎに行ってる間の子らは、ほったらかしだったから連れ去られたりすることもあったんだよ…例えばヌエなんかに…」
「ヌエ…?」
きっと紅のことだから、気まぐれか困っているのぞみを放っておけなかったのだろう。それ以上でもそれ以下でもないに違いない。やっと、のぞみがアパートに住んでいるのを知った時の意味深なあやかしたちの表情の理由がわかったとのぞみは思う。
ここ最近、喉の奥に引っかかっていた小骨が取れた。
それなのに…。
それなのになぜ胸がこんなにも騒ぐのだろう。
大家もしくは上司、ただそれだけの相手の過去がなぜこんなにも気になるのだろう。
「そういえば、紅さまが保育園を始めたのもその時期だったかな」
こづえが思い出したように呟いた。
「…紅さまはなぜ保育園を始めたのですか」
のぞみは以前も感じたその疑問を口にする。保育園と嫁たちのことは関係があるのだろうか。だがその質問に、こづえは首を傾げた。
「さぁ…それも詳しくはわからない。ただそれをありがたいと思うあやかしは多かった。それまでは、親が稼ぎに行ってる間の子らは、ほったらかしだったから連れ去られたりすることもあったんだよ…例えばヌエなんかに…」
「ヌエ…?」