のぞみがいるアパートには特別な何かがあるのではないかという疑問は、意外にもあっさりと明かされた。
「ここは紅さまの嫁たちが入るアパートなんだよ」
こづえがのぞみの部屋のちゃぶ台でかりんとうをがりがりとかじりながら言った。その言葉に驚いて、のぞみは危うく入れかけのお茶を溢しそうになってしまう。
「よよよよ嫁!?たち?!」
「そうだよ」
そう言って、こづえはまたかりんとうをガリガリと噛んだ。
夜の街でこづえと話をした日から、再び彼女は毎日かの子をアパートへ連れてくるようになった。ただ今までと違うのは、こづえも一緒に姿を見せて出勤前のひとときをのぞみの部屋でお茶を飲んだりしながら過ごしていくようになったことだ。
話をしてみると明るくて何事もはっきりとものを言うこづえは付き合いやすいあやかしで、今やのぞみにとっては気軽にあやかしの事情を尋ねることができる、ありがたい存在だ。
アパートのことについてはあれから何度か紅に尋ねたが、いつも曖昧にはぐらかされてばかりだったから尚更あやしいと踏んだのぞみは、この日思い切ってこづえに尋ねてみた。そしてあっさりおしえてもらえたはいいけれど、意外すぎる真実に声をあげたまま、絶句した。
「ここは紅さまの嫁たちが入るアパートなんだよ」
こづえがのぞみの部屋のちゃぶ台でかりんとうをがりがりとかじりながら言った。その言葉に驚いて、のぞみは危うく入れかけのお茶を溢しそうになってしまう。
「よよよよ嫁!?たち?!」
「そうだよ」
そう言って、こづえはまたかりんとうをガリガリと噛んだ。
夜の街でこづえと話をした日から、再び彼女は毎日かの子をアパートへ連れてくるようになった。ただ今までと違うのは、こづえも一緒に姿を見せて出勤前のひとときをのぞみの部屋でお茶を飲んだりしながら過ごしていくようになったことだ。
話をしてみると明るくて何事もはっきりとものを言うこづえは付き合いやすいあやかしで、今やのぞみにとっては気軽にあやかしの事情を尋ねることができる、ありがたい存在だ。
アパートのことについてはあれから何度か紅に尋ねたが、いつも曖昧にはぐらかされてばかりだったから尚更あやしいと踏んだのぞみは、この日思い切ってこづえに尋ねてみた。そしてあっさりおしえてもらえたはいいけれど、意外すぎる真実に声をあげたまま、絶句した。