役所からの帰り道は真っ直ぐに神社の方へは戻らずに、繁華街を抜けてゆく。そして居酒屋やカラオケ店、バーなどが立ち並ぶ通りに差し掛かったとき、聞き覚えのある声がしたような気がしてのぞみは足を止めた。
「やだー!」
「きゃははは」
ハイテンションで道を占領する若者グループの中に、こづえがいた。
「紅さま、あれ…」
のぞみは紅の袖を引いた。
「いやー今日は可愛い子ばかりだったから、ラッキーだったよー」
「ねーねー、今度このメンバーでバーベキューしない?」
会話の内容から察するに、男女のグループは合コン帰りのようだった。こづえは少し丈の長い水色のワンピースを着て笑みを浮かべて話をしている。驚くべきことに、十歳くらいに見える容姿でも周りは違和感を感じていないようだった。
立ち止まりそのグループをじっと見つめる紅とのぞみに、こづえも気がついたようだった。今日はどことなく控えめに見えるマスカラの目をパチパチとさせてこちらを見ている。
「こづえ」
紅が声をかけると、グループを抜けて紅の方へ歩み寄った。そして少し気まずそうに、のぞみをチラリと見た。
「遅くまで、お疲れさま」
紅が微笑むと、こづえはほっと息を吐いて頷いた。
「やだー!」
「きゃははは」
ハイテンションで道を占領する若者グループの中に、こづえがいた。
「紅さま、あれ…」
のぞみは紅の袖を引いた。
「いやー今日は可愛い子ばかりだったから、ラッキーだったよー」
「ねーねー、今度このメンバーでバーベキューしない?」
会話の内容から察するに、男女のグループは合コン帰りのようだった。こづえは少し丈の長い水色のワンピースを着て笑みを浮かべて話をしている。驚くべきことに、十歳くらいに見える容姿でも周りは違和感を感じていないようだった。
立ち止まりそのグループをじっと見つめる紅とのぞみに、こづえも気がついたようだった。今日はどことなく控えめに見えるマスカラの目をパチパチとさせてこちらを見ている。
「こづえ」
紅が声をかけると、グループを抜けて紅の方へ歩み寄った。そして少し気まずそうに、のぞみをチラリと見た。
「遅くまで、お疲れさま」
紅が微笑むと、こづえはほっと息を吐いて頷いた。