楓姉ちゃんが出ていった隼翔の部屋には、再びオレと隼翔の二人きりの空間が戻った。


「まさか姉ちゃんが友達を家に連れてくるとは思わなかったな」


「そうだね、ちょっとびっくりしたね」


 隼翔の言う通り、オレも楓姉ちゃんが友達を家に連れてくるなんて思わなかった。


「……残念だな……」


「え……?」


「今日、オレは葵のことを……」


 ……隼翔……。


「実現できなくなった……」


 少しだけしょんぼりしている、隼翔。