「……と…………い…………」


 ……え……?


 オレ、本当に気を失いかけているのかな……?

 幻聴が聞こえるなんて……。





「……やと…………おい…………」


 …………。

 ……違う。

 本当に誰かの声が聞こえてる……?

 …………。

 ……‼

 そうだ、隼翔に知らせないと……。


「……隼翔」


 オレは隼翔に知らせようと思って、隼翔の背中をやさしくポンポンとした。


「……なに、葵……邪魔なんかさせないからな……」


 隼翔は、そう言いながらオレの首筋に何度もキスをしている。


「そんなつもりじゃないんだけど、今何か聞こえなかった?」


「……え……?」


「誰かの声が聞こえた気がする」


「そんなこと言ってオレの邪魔をしようとしてるのか」


「違う、そうじゃなくて……」