今は夏休み中。
オレは今、隼翔の部屋にいる。
そしてベッドで隼翔と寄り添って座っている。
今日は、父さんと義母さんは仕事。
楓姉ちゃんは友達と遊びに行っている。
だから家にいるのはオレと隼翔の二人。
だからというわけではないけど……。
ねぇ、隼翔、今日は何の日か覚えてる?
今こうして隼翔と二人きりなんだから、今日という日をもっともっと二人のために使ってもいいと思うんだけど……。
なのにどうして隼翔は、そんなにいつも通りなの?
どうして寄り添うだけなの?
オレ、もっともっと隼翔に甘えたいのに。
「……ねぇ、隼翔」
仕方がないからオレの方からさりげなく話を振ってみる。
「どうした? 葵」
「……今日……」
「今日?」
「うん、今日」
「今日がどうした?」
もう‼ 隼翔‼
「今日……何の日か……覚えてる?」
「……何の日か……?」
えぇぇ~っ‼ 隼翔~っ‼
本当に覚えてないのぉ~⁉
「葵、『何の日か』って何の日だ?」
は……隼翔~……。