「もう朝?」

「うん。起きないと」

「1人じゃ起きれないよ……」


ぼうっとしたまま、まだ半ば夢の中にいる彼女の頬をなぞる。


「本当に、僕がいないと何も出来ないね」


口元に弧を描く。細い腰に腕を回して、抱き上げるようにその身体を引き寄せる。


「歩けないの?仕方がないなあ」


僕に全体重をかけた彼女を堪らなく愛おしく思って


その耳元に触れた。