僕しか頼れなくなって、僕に縋ってきて、

そのままいっそ依存してしまって。




友情でも恋情でも愛情でもなんだって構わないから。部屋の片隅に置かれたぬいぐるみに情を注ぐように。道べりで雀の死体を見つけては可哀想だと思うくらいの。


どんなに歪な形をしたアイでも構わない。



そしてそのまま僕に堕ちてしまえばいいんだよ。



君が誰に疎まれようとも、裏切られようとも、僕は今生君だけの味方をするから___




全部全部、僕の想い通りになるように。

だから、君と僕が幸せになれるように。




「もう少しだけ時間をくれる?」

「…時間?」




君が僕に染まるまでの数百日。


大切に大切に、時間をかけて。僕は君を侵食していく。僕がいないと困ってしまうように、1人じゃ何も出来ないくらいに、僕が見えないと泣き出してしまうくらいに。





「…こんなの、間違ってるかもしれない」




けれど、後になんて引き返せないほどにこの気持ちは1人勝手に狂いだして、もはや僕の手になんて負えない。多分もう、収集なんてつかない。



「〝ごめんね〟」



僅かに残っていたその理性が、拙く吐き出された4文字と共に身体の内側から去っていく。崩れてしまうような、そんな音が聞こえた気がして。



次の愛してるで、僕は必ず君の鼓膜を破ってみせる。






fin.