「あ、うん」

 思いもよらぬ提案に真っ赤になってしまう。
 胸元のペンダントが低い位置で光る太陽に反射している。

「俺、夜よりも昼のほうが好きになってきた」

 なんて彼は笑う。

「で、昼間よりも亜弥が好き」
「私も同じだよ」


 この空の向こうで、伊予さんは私たちを見守ってくれている。


 そうだよね、伊予さん?


 不思議な夏が終わりを告げても、これで終わりじゃない。
 伊予さんが教えてくれたこと、残してくれたものは私のなかで宝物のように輝き続けるはず。


 だから生きて行こう。



 希望あふれるこの世界を、ふたりで。











【完】