「言っておきますね」と、私は言った。

「一日も早く、ってお願いしておいて。あ、そうだ。あの話考えてくれた?」
「はい」

 うさぎさんと木月さんから、高校を出たらPASTを手伝わないかと誘われていたのだ。明日香と小春が不思議そうな顔で私を見ているのを感じながら、私は背筋を伸ばした。

「大学を目指そうと思います。経営とか経理のこととかちゃんと勉強したいんです」

 リョウのためじゃないと言えば嘘になる。けれど、自分自身がちゃんと知識を持ちたいと思えたんだ。

「あたしたち同じ大学に行くんですよー」

 明日香がピースサインをすると、ぷうと頬を膨らませたうさぎさん。

「じゃあ、大学に行ったらバイトでもいいから助けてよ」

 なんてかわいらしく言うのでうなずいた。


 こんなふうにみんなで笑い合えることが、ただうれしかった。