「そうそう。いつもひとりで結論出すの、これからは禁止。まずは相談してね」

 小春の声が風に乗り耳に届く。
 不思議な感じがした。砂浜で探し物をしている私たちが、まるで宇宙にいるみたいな気分。三人だけが取り残されたような不安感、そして安心感に包まれている。

 砂をかき分ける音と波の音だけが支配している世界。

「リョウに謝る」

 そう言うと、明日香と小春が小さく笑った。


 ペンダントがそのあとすぐに見つかれば美談になるのだろうけれど、実際そうはならなかった。

 波にあおられているペンダントを明日香が発見したのが一時間後のこと。歓喜(かんき)した私たちは、砂まみれ汗まみれで抱きあって喜んだ。

 そのあと砂浜に寝そべって夜空を見た。


 思ったより少ない星でも、三人で見られたことがうれしかった。