砂浜を出て、一般道へ出るとやけに外灯がまぶしく感じた。バスが私とすれ違う。きっとリョウが乗っているんだろうな……。

 無意識に胸に手をやった私は足を止めていた。

「あれ……」

 さっきまで胸につけていたペンダントがない。背筋が寒くなる感覚のあと、返そうとして一度外したことを思い出す。

 けれど、ポケットを探ってもペンダントはない。

 「どうしよう……」

 リョウの大切なペンダントを失くした……。

 あのとき外してしまったからだ。とんでもない失敗をしてしまった。
 慌てて引き返すけれど、暗闇に支配された砂浜のどこを探しても、ペンダントは見つからなかった。

 明日の朝、また探そう。


 くたびれた思考をぶらさげ元来た道を歩けば、丸い月が責めるようにずっと私について来る。