チーン

と、小気味良い音がしてシュトーレンが焼き上がった。
網の上で粗熱を取る。

見た感じ、やっぱりいびつな私のシュトーレン。
でも焼く前より少し膨らんで、かろうじて美味しそうに見える。

粗熱が取れたら、上からシュガーパウダーをたっぷり振りかける。
それはまるで、山に雪が積もったよう。

一気にクリスマスっぽくなり、一気に美味しそうに見えるようになった。

「すごい、美味しそうに見える。」
「美味しいですよ。味見しましょう。」

可憐ちゃんは、自分が焼いた分をさっそく切り分けてくれる。
切ると断面にたっぷりのドライフルーツがあらわれて、益々美味しそうに見えた。