ドライフルーツをなんとか生地に巻き込んで、最後にぺたんと半分に折る。
型はない。

「ね、簡単ですよね。」
「でも、私のすごくいびつな形なんだけど。」

可憐ちゃんと比べると、作り慣れてないことがバレバレな変な形になっている。

「大丈夫です。焼いてシュガーパウダーを振りかければ、見映えよくなりますから。」

自信満々に言う可憐ちゃんを信じてオーブンへ入れる。

しばらくすると、甘い香りが漂ってきた。

まだかなまだかなと、オーブンを覗きこんだりしてしまうあたり、私ったら相当ウキウキしてる。
子供じゃないんだから…と思いつつも、勝手にそわそわしてしまうのだ。