今までの凛の行動が脳裏に浮かび上がってくる。全ては翔兄ちゃんの為だと思っていた僕は、大きな勘違いをしていた。
「凛はいつも俺に一の相談をしてきた。一が弓道を辞めた時も、直ぐに電話で話してくれた。弓道に詳しくないから力になれないって。だから俺は凛に言ったんだ。同じ土俵にたてば、見えてくるものがあるんじゃないかって」
凛の行動の意味がようやく理解できた。
小さい頃からずっと一緒だった凛のことを、僕は何もわかっていなかった。わかっていると高を括っていた。僕の不用意な行動のせいで、凛を苦しめていたんだと。
「……翔兄ちゃん。僕、行きたいところがあるんだ」
今すぐ会って伝えなきゃいけない。
「よし、行って来い」
バシッと僕の背中を叩いた翔兄ちゃんは、そのままドアの方に僕を押してくれた。
背中に微かに痛みを感じた。それでも、不快感など全くなかった。こんな駄目な僕の背中を押してくれる人達がいる。僕のことを見てくれる人達がいる。
僕は玄関のドアを開けた。
「凛はいつも俺に一の相談をしてきた。一が弓道を辞めた時も、直ぐに電話で話してくれた。弓道に詳しくないから力になれないって。だから俺は凛に言ったんだ。同じ土俵にたてば、見えてくるものがあるんじゃないかって」
凛の行動の意味がようやく理解できた。
小さい頃からずっと一緒だった凛のことを、僕は何もわかっていなかった。わかっていると高を括っていた。僕の不用意な行動のせいで、凛を苦しめていたんだと。
「……翔兄ちゃん。僕、行きたいところがあるんだ」
今すぐ会って伝えなきゃいけない。
「よし、行って来い」
バシッと僕の背中を叩いた翔兄ちゃんは、そのままドアの方に僕を押してくれた。
背中に微かに痛みを感じた。それでも、不快感など全くなかった。こんな駄目な僕の背中を押してくれる人達がいる。僕のことを見てくれる人達がいる。
僕は玄関のドアを開けた。