何故キスをしたのか分からないまま、シロを抱っこして帰る。

理由を聞きたいけど猫の姿になってしまったし、なにより自分から聞くのは恥ずかしい。

「ただいま!」

おじいちゃんに挨拶をすると、明日帰るからだろうか、いつもより豪華なご飯が並んでいた。

「おじいちゃん、本当に猫は9つの命を持っているみたいだね。」

「でしょ?おじいちゃんもずっとそう思っているよ。」


寝る前に帰る準備をする。

お母さん達にお土産や洗濯してもらった服を鞄につめた。

「写真撮ってもいい?」

隣に呑気に寝ていたシロをスマホのカメラで撮る。

撫でてもビクともしない。

「疲れたのかな?私も疲れたよ。」

そう言って眠りについた。