「ですが荒神さまの力にも限界がございますね。

本来、石や樹木、木像に宿る〈神〉が人を依代にして長期間不自然に〈神〉の力を行使する。それは〈神〉の寿命を削ることになります。

荒神さまの寿命が尽きるか、その前に明空さんが回復するか……。時間との戦いですね」

千草は淋しげに微笑む。

「どうして、そこまで……あんたはどうしてそこまでして人間の味方をするんだ……?」

各務は苦しげに尋ねる。

「娘を……明空を……2度も……2度も失いたくはない」