さも当然というように頷くと、きらるんがため息をついた。


「ほんと、莉珠ってぶっ飛んでるよね」


「えっ、私めちゃくちゃ普通だよ!」


「それは全力で否定する」


的確に素早く突っ込んでくるきらるんに、思わずクスッと笑みがこぼれた。

そして睫毛を伏せて微笑む。


「でも良かった、きらるんに協力してもらえて。こうでしか近づけなかったもん」


軽くウェーブのかかった胸下まである髪を、そっと耳に掛ける。


「一目惚れなんだよね、最初は。だけど知れば知るほど好きになって。彼ね、クールかと思ってたけど実は喜怒哀楽の表現が豊かだし、困ってる子がいたら放っておけない優しい人なの」


想いを形にするように、じんわりと言葉を紡ぐ。


「誰かを好きになったの初めて。だからこの恋は大切にしたいんだ」


胸の内を吐露し終え口を閉じると、隣で黙って聞いていたきらるんが、前を向いたまま口を開いた。


「大丈夫だよ」


「え?」


「いつか莉珠の想い、伝わるから」


「きらるん……。ありがと」