「心の底から不本意で、自分でも信じられないんだけど、私どうやらあなたのことを好きになってしまったみたいなの。今日から私の恋人になりなさい」
学園のマドンナである西園寺麗華は、学園のチャラ男である俺に向かって、非常に不愉快そうな顔をしてそう言った。彼女の表情だけを見たら、愛の告白をしているとは誰も思わないに違いない。「あの軽薄そうで金髪の男が、何かセクハラじみたことをお嬢様に言って怒られたんだろうなあ」と、誰もが決めつけてしまうだろう。
虫ケラを見るような冷たい瞳を俺に向けていたが、麗華は相変わらず美しかった。むしろ、その冷淡な面持が彼女の美貌をさらに引き立てているようにすら思えた。
……ってまずいまずい。なんだか変な性癖に目覚めてしまいそうだ。
「え、いや……。俺、今君に好きって言われてるんだよね?」
「はあ? だからそう言ったじゃないの。耳ついてないの? あなたは」
信じられなくて尋ねた俺に、さらに不機嫌そうな顔をして麗華は言う。なんだかとても面倒そうだった。
――何故このような事態になったのか。俺にはさっぱりわからなかった。放課後、いつものように街に繰り出して、俺と同じ刹那主義のかわいい女の子とカラオケで乳繰り合ったあと、俺は帰路についていた。
すると、家の近くに急に黒塗りの高級車(車は詳しくないので車名は分からない)が止まった。運転席にはセバスチャン(ロマンスグレーのいかにも執事っぽい人。執事の名前がセバスチャンというのは昔からの相場である)が座っていた。
学園のマドンナである西園寺麗華は、学園のチャラ男である俺に向かって、非常に不愉快そうな顔をしてそう言った。彼女の表情だけを見たら、愛の告白をしているとは誰も思わないに違いない。「あの軽薄そうで金髪の男が、何かセクハラじみたことをお嬢様に言って怒られたんだろうなあ」と、誰もが決めつけてしまうだろう。
虫ケラを見るような冷たい瞳を俺に向けていたが、麗華は相変わらず美しかった。むしろ、その冷淡な面持が彼女の美貌をさらに引き立てているようにすら思えた。
……ってまずいまずい。なんだか変な性癖に目覚めてしまいそうだ。
「え、いや……。俺、今君に好きって言われてるんだよね?」
「はあ? だからそう言ったじゃないの。耳ついてないの? あなたは」
信じられなくて尋ねた俺に、さらに不機嫌そうな顔をして麗華は言う。なんだかとても面倒そうだった。
――何故このような事態になったのか。俺にはさっぱりわからなかった。放課後、いつものように街に繰り出して、俺と同じ刹那主義のかわいい女の子とカラオケで乳繰り合ったあと、俺は帰路についていた。
すると、家の近くに急に黒塗りの高級車(車は詳しくないので車名は分からない)が止まった。運転席にはセバスチャン(ロマンスグレーのいかにも執事っぽい人。執事の名前がセバスチャンというのは昔からの相場である)が座っていた。