翌日の放課後。
宣言通りにお節介を焼く為、生徒会室を訪れていた。
深呼吸一つ。
扉を叩いて返事を待つ。
「私、汐里だけど――」
『しー? ちょっと待って、今開けるから』
パタパタ。ガチャリ。
次いで開いた扉から、見知った顔がのぞく。
「他のメンバーは?」
「今日は何もないからね。誰も来てないし、これから来もしないかな」
そんな返答を受け、
「そう――」
短く呟きながら閉めた扉、その鍵までもしっかりとかけた。
誰にも干渉されないなら都合が良い。
誰か居れば、屋上にでも呼び出していただけだが。
どうぞ、と通されたソファに先んじて腰掛ける茶臼山。
倣って腰を降ろそうとして、その顔を見て色々と思い出して、思い起こして。
昨夜のことをずっと考えて。
そうしていると、ソファに腰掛けるよりも先に、琢磨は口を開いていた。
開口一番、本題へと入る。
「文化祭の日、さ…」
「文化祭、か。あの時は本当にごめんね。せっかくの――」
「みっきー…」
「……しー?」
どうしようもなく馬鹿だとは思う。
思うけれども、今更煮えたぎった感情を抑えられよう筈はない。
抑えてしまえば、きっと後悔する。
やらずに後悔するより、やって後悔する方がまだマシだ。
何より、汐里が大好きな相手だからこそ、それは明らかにしておかなくてはいけないことだ。
そう自身を言い含めて、琢磨は続けて言葉を口にする。
「旧部室棟――」
と。
刹那、茶臼山の表情が曇った。
否。恐怖にも似た色へと変わる。
自身の瞳を捉えていた目は次第に下がり、指を絡めた手元へと落ちて行く。
「そう、か。あぁ、アレはまずったな……見て、しまったんだ」
「――ああ」
茶臼山からの言葉があった頃には、琢磨はもう、汐里の真似をやめていた。
汐里の代弁者ではなく、自身の言葉で、自身が思ったことだけを口にする。
宣言通りにお節介を焼く為、生徒会室を訪れていた。
深呼吸一つ。
扉を叩いて返事を待つ。
「私、汐里だけど――」
『しー? ちょっと待って、今開けるから』
パタパタ。ガチャリ。
次いで開いた扉から、見知った顔がのぞく。
「他のメンバーは?」
「今日は何もないからね。誰も来てないし、これから来もしないかな」
そんな返答を受け、
「そう――」
短く呟きながら閉めた扉、その鍵までもしっかりとかけた。
誰にも干渉されないなら都合が良い。
誰か居れば、屋上にでも呼び出していただけだが。
どうぞ、と通されたソファに先んじて腰掛ける茶臼山。
倣って腰を降ろそうとして、その顔を見て色々と思い出して、思い起こして。
昨夜のことをずっと考えて。
そうしていると、ソファに腰掛けるよりも先に、琢磨は口を開いていた。
開口一番、本題へと入る。
「文化祭の日、さ…」
「文化祭、か。あの時は本当にごめんね。せっかくの――」
「みっきー…」
「……しー?」
どうしようもなく馬鹿だとは思う。
思うけれども、今更煮えたぎった感情を抑えられよう筈はない。
抑えてしまえば、きっと後悔する。
やらずに後悔するより、やって後悔する方がまだマシだ。
何より、汐里が大好きな相手だからこそ、それは明らかにしておかなくてはいけないことだ。
そう自身を言い含めて、琢磨は続けて言葉を口にする。
「旧部室棟――」
と。
刹那、茶臼山の表情が曇った。
否。恐怖にも似た色へと変わる。
自身の瞳を捉えていた目は次第に下がり、指を絡めた手元へと落ちて行く。
「そう、か。あぁ、アレはまずったな……見て、しまったんだ」
「――ああ」
茶臼山からの言葉があった頃には、琢磨はもう、汐里の真似をやめていた。
汐里の代弁者ではなく、自身の言葉で、自身が思ったことだけを口にする。