立ち上がって通路に出ると知った顔が3人あった
「祐紀じゃん、久しぶり」
「……うん」
手を繋いでいたのを俺は外した
あずさは俺の方をみたが何も言わなかった
「広紀がやったなー!」
「うん」
「祐紀は部活はやってないんだっけ?」
「うん」
「女バレーの子らも来てたぞ」
「そうなんだ……」
「彼女さん?」
あずさは頭をぺこりと下げた
「俺らは祐紀と広紀の同級生で部活が一緒だったんだ」
「はじめまして、平野あずさです」
「祐紀!みっけ!」
右後ろからいきなりぶつかって腰に手を回された俺は勢いで左隣にいたあずさにもぶつかった
「ごめん、あずさ」
「ううん、大丈夫?」
あずさは小さい体でも支えてくれた
俺は後ろを向いて1人の女に声をかける
「愛羅、やめろよ……人が大勢いるだろ?」
「祐紀の後ろ姿を見つけたから走ってきちゃった、昔の癖で(笑)」
俺は体に回された手をほどいた
あずさも右にいる俺の体の方を向いて頭を下げた
愛羅も軽くさげる