土曜日の昼過ぎ駅であずさを待っていた

電車が到着して俺の姿を見つけると小走りでやってきた

「おまたせ!」

「行こうか」

「待って、お土産持って行きたいんだけどこの先のケーキ屋に寄りたい」

「別に構わないのに」

「だーめ!ちゃんとしたい」

俺は腕を引っ張られてケーキ屋に連れて行かれた


「何にしようかな、日持ちするものがいいかな、祐紀もきっと食べるでしょ?」

「俺は久しぶりにマカロンが食べたいかな〜」

「じゅあ、決定」

あずさといると自分の好きなモノが言えることに気付かされる

基本何でもいい……とか昔から自分の主張をしてこなかった俺にはすごく新鮮で


最初の付き合う時にお金は割り勘をあずさは主張した

俺は男として出すものと思ってたし、バイトもしてる

でもそうする事で自分の好きなものを食べれる

それはあずさも同じで注文する時も気をつかわなくてすむらしい



一言で言うとあずさと居るのは楽だった

無理に喋ろうとしなくてもいいし、無言でも全然平気な空気感だった