「君が祐紀の彼女?」

「はい、平野あずさです」

「俺は広紀、祐紀の兄だ」


頭を下げていたあずさは顔を上げた

「お兄さん?」

「そう、あれ?祐紀から聞いてなかった?」

あずさは広紀の後ろにいる俺の顔を見た

「まだ、付き合ってそんなにだから……」



「ふーん……でもヤる事はヤってんだな」

広紀はベッドの横にあったゴミ箱を足で蹴った

中のゴミがこぼれる

あずさは真っ赤になっていた

俺は急いでゴミ箱を片付けた


「あずさ、ごめん……」

あずさは少し笑顔をひきつらせながら首を横にふってくれた



「まあ、いいや、祐紀が楽しいなら、よろしく!あずちゃん」

「人の彼女を名前で呼ぶなよ」

「えー、じゃあ前は……んぐっ」

「うるさいよ、広紀は」

俺は広紀の口を手で塞いだ

あっという間に手は外されたが広紀が何を言うのかハラハラする

俺と違って話すのが上手いし社交的な性格なのだ