「お姉ちゃん、そんなんじゃないってー」
でも意外だな、藤井くんが甘いものが好きで1人でこんな遠くまで食べに来てるなんて
いつも無口でクールなイメージだったけど真っ赤に照れて……ふふっ少し可愛かったな
俺はベッドで雑誌を見ていた
地元のカフェの特集だった
あー、これも食べてみたい、ここも行きたいな
いつ、平野と行こう……
あっ!
俺は平野の連絡先を知らない……
ベッドに顔を埋めた
俺は何をやってんだ……
何で会った時に交換できなかったんだろう
せっかくの夏休みなのに、誘えないしカフェに行けないじゃん
あーーー、もうヘタレだな俺は!
本当に平野は俺とカフェに行ってくれるのかな?
楽しみと少しの不安を抱えながら何も行動することもできず、夏休みは終わってしまった