学校は夏休みに入った
平野あずさは最寄り駅から電車に乗り姉の家へ向かった
姉は大学生で大学の近くで一人暮らしをしている
少し遅い昼食を食べに2人でカフェに出かけた
2人かけのテーブルに座った
「少し時間をずらしたけどやっぱり混んでるね、お姉ちゃん」
「かっこいいように言ってるけどあずが来るのが遅かっただけでしょ(笑)」
「ごめーん」
隣に1人で座ってる男子と目があった
「……藤井くん?」
「あっ……」
俺は平野に似たような声がして、あずって名前に思わず顔をあげてしまい目があった
「こんなところまでどうしたの?」
平野は注文を済ませて俺の前に座った
「平野は?」
「私?私はお姉ちゃんが近くに住んでるからお昼ご飯を食べに来たの」
隣にいる姉にぺこりと頭を下げた
「1人で来たの?」
「うん」
俺はキャップ帽を少し深めに被り直した
「家や学校の近くだと恥ずかしい……」
平野は俺の食べていた生クリームたっぷりのパンケーキを見た