大きく深呼吸するのがわかった


「……だから、それだよぉ」

「ん?」

「ま、真面目って言われた後に真面目な人が好きとか、さっきも気の強い人好きとか、しっかりした人が好きとか……

藤井くんは人の好きと、カフェや洋食が好きなのが同じで分かりずらい……んだよぉ」


一気に話した平野の息が俺の胸の1箇所に当たり熱くなる

「そっか〜、俺の好きはわかりずらいのかー」

うんうんと頷かれた

「俺の事……少しは意識してくれてる?」

うん、と頭が上下に揺れた

「それは好きって事?」

「……多分?」


「何?多分て……」

「少なくとも藤井くんの事を可愛いと思ってる自分がいて、一緒にカフェに行くのも楽しいし、これからも行きたいって思うよ、でも……」

「でも?」

「最初に藤井くんとカフェに行ったのが私じゃなかったら?

それに藤井くんの事を好きな人が一緒にカフェに行こうって誘ってきたらついていってその人の事を好きになるんじゃないのかなって」




「何で?俺そんな子についていかないよ?知らない子となんて行きたくない」