「でもさぁ、いつも阿部っちと帰ってるよね?」

「あー、聞いた事ある、阿部っちも祐紀と帰るからって女子に断ってるの見たことある」

「阿部っち知ってるのかな、電話してみよ」




「もしもし?」

「あっ、阿部っち?今ねカフェに居るんだけど藤井くんを見たよ、顔は見えなかったけど女子と一緒にいた」


「祐紀がカフェ?女子?見間違えなんじゃね?」

「今日一緒に帰ってないんならそうだよー」



「……帰った、帰った」

「そっかー、じゃあ、バイバイ〜」



祐紀……今日は用事があるって……女?


京弥は祐紀に電話しようとボタンを押そうとしたが止めた

今はもしかして一緒にいるか……



夜、俺の電話が鳴る

京弥が電話なんて、珍しいな

「もしもし?」

「祐紀?今日さ、用事あるって言ったじゃん」

「うん」

「学校近くのカフェにいた?」

「あっ、うん、何で知ってんの?」

「カフェにいた女子から電話がきた、祐紀が女子といたって、お前、彼女……」

「彼女じゃないよ、一緒にいたのは平野だよ」

「平野?付き合ってないのか?」

「……うん」