「あの…エマ殿下、このネコちゃんとちょっとあっちの方で遊んできてもよろしいでしょうか?」

「別に構わないわよ。」

「ありがとうございます。」

そして、エマ殿下には聞こえないところでネコの肉球を触りながら喋りかけた。

「私は、あなたの思ってることがわかるの。さっきは、愛想を振りまくのも疲れるニャー。やれやれだニャー。って思ってたでしょ?」

(なんでわかったニャッ!?)

「私は、不思議な石のおかげであなたの思ってることがわかるのよ。ただし、あなたの肉球を触っているときだけね。」

(そうなのかニャー!!)

「ところで聞きたいことがあるのよ。」

(なんだニャー??)

「国王陛下がティム様と食事をすることを国王陛下の弟さんに喋ってなかった?」

(あー、それは見たニャー。)

「本当!!??」

(本当だニャー。)

「じゃあ、ティム様を助けるためにも証言してくれる?」

(してあげてもいいニャ。)

「ありがとう!!」

(だけど、条件があるニャ。)

「なに?」

(元々、ニャーは城下町で育ったネコだニャ。ニャーは、たまたま運良くここで飼ってもらえたニャ。美味しいエサを毎日食べれて、幸せニャ。

だけど、気がかりなことがあるニャ…。城下町にいたときに、エサを捕れないことがあると、ギャレットと言う人間の所に行ってエサを貰っていたニャ。

ニャーは、ここから出れないからギャレットにそのときのお礼をニャーの代わりに言ってくれないかニャー?)

「分かったわ!」

(感謝するニャ。)



こうして、エマ殿下が飼っているネコが国王陛下がティムと食事をすることを国王陛下の弟に喋っていたのを証言してくれることになった。









「証言してくれるネコが見つかったんだな!!良かったー!!

これで叔父さんは、私と国王陛下が食事をすることを知らなかったとは言い逃れできないぞ。」

ティムは、ネコの手を借りることになった。

ネコでも、なんでも、証言してくれたらそれでいいのだ。

「あとは、ティム様のズボンのポケットの中に毒物が入った袋を入れることができて、国王陛下の食事に毒物を入れることができる人物を見つけるだけですね!!」