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次の授業のため音楽室へ行こうとしたとき、廊下の向こうから神々しいオーラを放って悠然と歩く一人の男子生徒の姿が見えた。
生徒会長の、藤川先輩だ。
背も高いしスタイルが良いので、本人にそのつもりはなくとも嫌でも目立つ。
目があってはいけないと思った私は若干下を向き、教科書を抱きしめ廊下の端の方を歩いた。
積極的な女子は、廊下の窓からキラキラと降り注ぐ太陽光を浴びた彼を、じっと熱い目差しで見つめている。
いい香りまで漂ってきそうな藤川先輩とすれ違いかけたとき。
なぜか彼はちょうど斜め前で立ち止まり、私のことを見下ろしてきた。
突然の事態にパニックになる私。冷や汗までもが出そうになってくる。
彼のような人が私に用事などあるわけがない。
お辞儀をしてそのまま去ろうとしたのに、藤川先輩の手が私の二の腕を掴んだ。
「ちょっと待って」
低めの甘い声が耳をくすぐる。
軽く腰をかがめ、私の顔を検品するかのようにじっくりと眺めてくる。
次の授業のため音楽室へ行こうとしたとき、廊下の向こうから神々しいオーラを放って悠然と歩く一人の男子生徒の姿が見えた。
生徒会長の、藤川先輩だ。
背も高いしスタイルが良いので、本人にそのつもりはなくとも嫌でも目立つ。
目があってはいけないと思った私は若干下を向き、教科書を抱きしめ廊下の端の方を歩いた。
積極的な女子は、廊下の窓からキラキラと降り注ぐ太陽光を浴びた彼を、じっと熱い目差しで見つめている。
いい香りまで漂ってきそうな藤川先輩とすれ違いかけたとき。
なぜか彼はちょうど斜め前で立ち止まり、私のことを見下ろしてきた。
突然の事態にパニックになる私。冷や汗までもが出そうになってくる。
彼のような人が私に用事などあるわけがない。
お辞儀をしてそのまま去ろうとしたのに、藤川先輩の手が私の二の腕を掴んだ。
「ちょっと待って」
低めの甘い声が耳をくすぐる。
軽く腰をかがめ、私の顔を検品するかのようにじっくりと眺めてくる。