「確か僕の誕生日のときに。でも2年以上前のことだから、忘れてしまっても仕方ないよ」
「ごめんなさい……私」
適当に話を合わせることもできたけど、先輩に嘘をつきたくなかった。
「こちらこそごめん。昔の話を持ち出したりして」
「いいえ。私最近……何だか忘れっぽいみたいで」
言い訳を口にすることが虚しくて、ただうつむいてしまう。
「今日のことは、忘れないでもらえると嬉しいな」
落ち込む私へ、先輩は全然気にしていない風に冗談ぽく笑ってくれた。
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